アンモニアPET検査を受けられる方へ

アンモニアPET検査とは

アンモニアPET検査 機器

アンモニアPET検査は心臓の血液の流れや動きを調べ、狭心症や心筋梗塞、心筋症などの病気の有無やその程度を診断します。侵襲が少なく、治療計画を立てたり、入院の必要性を判断することに役立つ検査です。
検査では放射線を出すラジオアイソトープ(RI)でしるしをつけた特別なお薬(13NH3:アンモニア)を注射します。注射したお薬は血液の流れにのって心臓へと集まり、集まったアンモニア量をPETカメラで捉えて画像化します。

安静検査と負荷検査について

この検査では、お薬を使用して心臓に負荷をかけた状態の負荷検査と、負荷をかけていない日常状態をみる安静検査を行います。お薬を使用して血管を拡げるとたくさんの血流が必要になりますが(負荷の状態)、血管が狭くなっていると十分に拡がることができず、健康な部分と比較して血液が不足してしまいます。

このように血流が不足している場所を見つけることにより、血管が狭くなっている部分を見つけることができます。さらに、負荷の状態と安静の状態を比較することで、より詳しい診断ができるようになります。

※負荷検査中は専門の医師が付き添います。

こんな方におすすめです

  • 胸部症状、心電図異常、冠動脈石灰化などの狭心症の精密検査として
  • 狭心症や心筋梗塞の既往がある方の定期検査として

冠動脈疾患は自覚症状なしで突然発症することも多く、発症前に治療を開始することがとても重要です。
アンモニアPET検査では心筋に流れる実際の血流量を測定するため、検査によって発症前に将来的なリスクを予測することができます。早期に治療を開始できれば、薬物治療や生活習慣の改善で発症リスクを抑えることも可能です。

※アンモニアPET検査の前に心電図や心エコーなどの検査を行うことがあります。

検査のおすすめポイント

薬剤を用いて心臓負荷検査を行います
アンモニアPET検査では運動のかわりに薬剤で心臓に負荷をかけるため、体力に自信がない方でも安全に検査をお受けいただけます。
造影剤は使用しません
アンモニアPET検査は造影剤を使用しません。腎機能障害や造影剤アレルギーがある方でも安全に検査をお受けいただけます。
SPECT検査よりも解像度が高いクリアな画像を撮影できます
心筋血流検査は国内でSPECTが一般的ですが、アンモニアPET検査はSPECTに比べ解像度の高いクリアな画質を得ることができます。

検査の注意事項

検査前の食事・飲み物について

  • 検査前日の22時以降はカフェインを含むもの(お茶・コーヒー・コーラー・ガム・栄養ドリンクなど)は口にしないでください。
  • 検査の6時間前から絶食です。絶食開始以降は水分はお水でお取りください。
  • 喫煙は来院時間の2時間前から中止してください。禁煙治療のガムやパッチも中止してください。

※カフェイン・絶食・禁煙制限をお守りいただけなかった場合は、検査日の変更をお願いする場合がございます。

お薬について

  • 冠拡張剤(心臓の血管を拡げるくすり)を内服している方は、医師の指示に従って薬の内服を検査の24時間前から中止してください。
  • 午前中に検査を行う方は、糖尿病治療薬とインスリン注射は中止してください。

※上記以外のお薬については、とくに制限はございません。

心臓ペースメーカーをつけている方

心臓ペースメーカーをつけている方は事前にお申し出ください。検査当日はペースメーカー手帳をお持ちください。

検査エリアの持ち込み制限について

  • スマートフォン、携帯電話、タブレット端末などの電子機器や筆記用具はお持ち込みできません。
  • 本やハンカチなどのお持ち込みは可能です。

検査当日の服装について

  • 検査当日の服装に制限はございません。ご来院後、上半身のみ当院の検査着にお着替えいただきます。
  • 寒がりの方は羽織るものをご持参ください。

ご家族などの検査同伴について

おひとりでの移動が困難な方やお手洗いに介助が必要な方は、ご家族などの付き添いをお願いいたします。

持ち物

  • 紹介状
  • 健康保険証
  • お薬手帳
  • 検査費用(現金またはクレジットカード)

※当院はマイナンバーカードを保険証としてご利用いただけます。

検査費用の目安

現金またはクレジットカード(一括払い)でのお支払い

  • 1割負担:10,000円前後
  • 2割負担:20,000円前後
  • 3割負担:30,000円前後

よくある質問

Q.
医師を通さず患者自身でアンモニアPET検査の予約ができますか?
A.
大変申し訳ございませんが、患者様からのご予約は承ることができません。必ず主治医の先生を通してご予約ください。
Q.
アンモニアPET検査で使用する薬剤(13NH3)はどのようなものですか?
A.
放射線を出すラジオアイソトープ(RI)でしるしをつけた特別なお薬(13NH3:アンモニア)です。身体に必要な成分からできていますので、副作用の心配はありません。微量ながら放射線を出していますが、半減期(放射能が半分になる時間)は約10分と非常に短いもので、1時間程でほとんどなくなります。検査で使用する薬剤は、クリニック内の専用施設で検査ごとに製造しています。
Q.
アンモニアPET検査の所要時間はどのくらいですか?
A.
来院から検査終了、お会計も含めて約2時間ほどです。
Q.
妊娠中や妊娠の可能性がありますが、アンモニアPET検査を受けることができますか?
A.
放射線を使用する検査ですので、妊娠中や妊娠の可能性がある方は原則受けることができません。